サーファーには馴染みある言葉「浮力」
馴染みがあるわりにきちんと浮力を説明できる人は少ないと感じます。
かくいう私もその1人です笑
同じ物体でもギュッとなっていると沈むし、中を空洞にして体積を増やすと浮くくらいのことは想像できたので、体積とか密度とかそのへんが関わってるんだろうなとは予測できたもののしっかりとした説明はちょっと出てこない。。
なんとなくわかるけど、説明出来ないという人が多いに違いない(そうであってほしい)と思い、今回は浮力について物理的に解説していきます。
浮力とは
読んで字のごとく浮く力のことで、水の中の物体は、その物体が押しのけた水の重量分だけ軽くなります。これをアルキメデスの原理といいます。
具体的に考えてみましょう。
満タンに水の入ったコップがあります。ここに浮きも沈みもしない物体Aを入れると、水が溢れます。物体Aを取り出して、溢れた水をそっくり戻せたら、元通りですよね?
つまり、物体Aの浮力と溢れた水の重量が同じということになります。
数式で考えてみましょう。
浮きも沈みもしないということは、物体の重量と浮力が等しいことになります。
重量=浮力
物体の重量をWとすると
W=m × g
ここでmは質量、gは重力加速度です。
浮力をFとすると
F=ρ × V × g
ここでρは水の密度、Vは物体の体積、gは重力加速度です。
重量と質量って一緒じゃないの?
雰囲気は似てんだけども、ちょこっとちげーんだ。下のメモ見てくんつぇ。
質量:どこへいっても変わらない物体そのものの重さ
重量:質量に重力加速度を掛けた力の大きさ
重量とは身近なところだと体重です。地球での体重と、月での体重は違うことはなんとなくイメージつくはず。それは地球と月とで重力加速度が異なるからです。
ちなみに体重計は重力加速度で割った値(質量)を表示しています。
サーフボードの浮力
サーフボードの浮力と人の重量を計算してみよう。サーフボードの体積を30 L(30000 cm3)、簡略化のためにサーフボードの重さ込みのサーファーの体重を60 kgとする。海水の密度は約1.03 g/cm3、重力加速度は約9.8 m/s2です。
サーファーとボードをまとめた沈む力
重量W=60×9.8=588 N
ボードのみを沈めたときに得る浮力
浮力F=30000×1.03×9.8=302.82 N
Nはニュートンのことで、1kgの質量を1m/s^2に加速すんのに必要な力のことだべ~
沈む力が588Nで浮く力が302Nということは588-302=286N、つまり286÷9.8で約29 kg分の浮力が足りないことが分かる。
サーフボードに書いてあるリットルってイコール浮力ではなかったんだね。体積かぁ。。
厳密に言うならな~。でも体積と浮力は比例関係にあっから、体積が多いってことは浮力があるっつーことだから、んな気にすんなぁ~
足りない分の浮力どうしているのか
波待ちのように静止している場合は、重量と浮力が釣り合うところまで沈みます。人間も海水中に沈めば浮力を得るためです。
ライディング中はボトムの水流から揚力を得ています。揚力とは海水がボトムに流れることで初めて発生する力です。ボードにスピードがつけばつくほど大きな揚力を得ることができるため、人はサーフボードの上に立ち、ライディングするとこができます。
揚力についての詳細は別の機会に記事にしようと思います。
まとめ
今回はサーフボードの浮力について、ちょっとだけ物理的にお話してみました。
浮力・揚力、質量・重量と似て非なる言葉が出てきましたが、いかがだったでしょうか。
内容をおさらいします。
・浮力は物体が押しのけた流体の重量と同じ力の大きさで、ボードにも人にもリーシュにも発生する。
・重量と浮力が釣り合うと浮きも沈みもしない。波待ちで静止しているときなど、浮力が足りない場合は釣り合うところまで沈む。
・動いているときは浮力の他に、揚力が加わりボードの上に立つことができる。揚力はボードにスピードがつくほど大きくなる。
以上となります。
最後まで読んでくださってありがとうございます┏○ペコ