・リセッション入りの判定で重要視されている指標
・過去から分かるリセッション入りのシグナル
(長短金利差などから)
リセッションとは
・経済活動全体が激しく下降している状況
・それが数か月以上続いていること
・雇用 > 個人所得 > 景気敏感業種の売上高 > 鉄工業生産 の低下がはっきりあること
いわゆる 景気後退 です。
リセッション入りの判定
全米経済研究所:NBERという組織が判定を下している。
参考指標は、雇用 > 個人所得 > 景気敏感業種の売上高 > 鉄工業生産 や実質GDPなど総合的に判断する。
リセッションは平均10か月(世界恐慌後)続く。
そして、リセッション入りの判定は景気が明確に下降してから様々なデータを収集し、行動するため、実際のリセッション入りから6-18か月後に判定が決まる。
つまり
NBERから公式にリセッション入りの判定が出たときには
株価はもう暴落している可能性が高い
リセッション入りする前に、そのシグナルを感知し、暴落に備えキャッシュポジションを厚めにしておくなど対策が必要です。
過去を振り返ると、公式にリセッション入りの判定が出たときに
株を買っていれば”必ず”プラスでした
リセッション入りのシグナル
リセッション入りの前兆としては米10年債利回り-米2年債利回りである「長短金利差」や、「原油価格」や、よくいう利上げ「FFレートの上昇」などいろいろな見方ができます。
が、長短金利差で見るのが一般的です。
米10年債利回り-米2年債利回りとリセッション
上の図はアメリカの長短金利差のグラフです。
灰色で示したところがリセッション期間です。
長短金利差が「0」以下になってから、1年-2年でリセッション入りしているのがわかるかと思います。赤〇が長短金利差が0になったタイミングです。
2022/03/26では米10年債利回り-米2年債利回りが2.488-2.284=0.204と「0」に近づいており、そろそろリセッション入りかなどと騒がれています。
しかし、言い換えれば、この長短金利差が大きければ大きいほど、景気は力強く成長するとみんなが信じているといえます。
銀行は短期金利で資金を用意して、それは長期金利で貸しています。
長期金利-短期金利で儲けているわけですが、この差が「0」になるということは銀行の儲けが悪くなるわけです。
つまり、銀行からお金を借りにくくなる現象が起き、景気後退となります。
原油価格とリセッション
上の図は原油価格とリセッション期間です。
2020年のリセッションはコロナの影響のためですが、他のリセッション局面では原油価格が上昇していることがわかると思います。
原油価格の高騰はインフレにほかならないので、原油先物の株価などに注意する必要があります。
金利とリセッション
上の図はFFレート、いわゆる金利とリセッション期間です。
金利を上げたからと言って、すぐにリセッション入りするわけではありません。
利上げを何度か繰り返したあとでリセッション入りとなっています。
一般的に金利上昇はマルチプルコンストラクション(株価収益率:PERの圧縮)によって、株価の低下を引き起こすと言われています。
しかし、これは高PERであるハイパーグロース株が主であり、一概に金利上昇が株価低下につながるわけではありません。
まとめ
2022/03/27 現在は長短金利差が0.2と0に近づいていますが、リセッション入りにはまだ時間がありますし、利上げもまだ一度目です。しかし、利上げ幅の上昇など、予想に反した決定となると短期的に見て株価は低下すると考えていますので、議事録の発表や会見などの前に逃げるかどうか考えたいと思います。。個人的にはですが。